たまに振り返る

昨年はたくさんおもしろい本が読めてBUMP OF CHICKENのライブに行けたのでよい年でした。よかったことをときどき思い出せるように、日記でも書いてみることにしました。とりあえずおもしろかった本の話とBUMP OF CHICKENの話をしようと思います。これ年明けすぐに書いてたはずなのに、気がつけばもう一月も終わりで、今年も残すところあと11ヶ月みたいです。

 

昨年読んだ本はおもしろい本がとても多かったので数冊に絞って書くの難しいんだけど、とにかく『オルゴーリェンヌ』(北山猛邦)と『神のロジック 次は誰の番ですか?』(西澤保彦)と『箱庭の巡礼者たち』(恒川光太郎)がよかったです!!

 

『オルゴーリェンヌ』は『少年検閲官』の続編にあたる作品で、あらゆる書物が禁止された時代に生きる少年たちの話。序奏の「月光の渚で君を」があまりにも残酷で美しくてもうこの時点で最高なのですが、作家を目指すクリス少年と書物を狩る側の立場のエノとの絶妙なやりとりがものすごくよくてどこまでもおもしろいです。圧巻なのが推理パートで、犯人を絞るなかで「ある人物に犯行ができなかった理由」を探偵役が示すところがほんとに大好き。最後の一ページは、読んだ瞬間に泣いてしまった。


『神のロジック 次は誰の番ですか?』こちらは『神のロジック 人間のマジック』の改題再文庫化。再文庫化していただきほんとうにありがとうございます!!出会えてよかったです!!人里離れた全寮制の学校で、推理ゲームなど風変わりな課題に挑む生活を送る生徒たち……という幻想的な世界が揺さぶられる様が最高だった。あとどういうふうに、とうまく言語化ができないんだけど文章のリズムと言葉回しがかなり好みだった、2023年はいっぱい西澤保彦作品を読もうと思います。『七回死んだ男』も最高におもしろかった!次は『人格転移の殺人』を買ったので読むぜ!

 

 

『箱庭の巡礼者たち』は六つの世界の物語がひとつに繋がる一大幻想奇譚です。どの物語も好きなんだけど、とくに「洞察者」と「ナチュラロイド」がお気に入り。うまく世界に馴染めない存在がかすかな光を見つける話が好きなのかもしれない。作中の「私たちは真っ暗な海を漂う、薄気味悪い仲間で、だからこそ、ほんの少しだけ孤独ではない」という言葉は、たぶん、わたしのなかの大事な位置を占めてときどきお守りになってくれる言葉になると思う。それと「洞察者」は最後の4行がものすごくよくて、何度も繰り返して覚えるくらい読んでしまった。大好きな物語です。

 

ほかにも昨年は読んだことのない作家さんの本をたくさん読めたのでよかったです。『とらすの子』で芦花公園先生に一気にはまったのですが、今年は新刊がたくさん出るとのことでたのしみにしています、いまから嬉しい!それと大御所だけど宝塚きっかけで浅田次郎作品をいまさらはじめて読みました、『蒼穹の昴』めちゃめちゃおもしろかった……!!『珍妃の井戸』まで読んだんだけど、蘭琴の語りが好きすぎて何回も読んで何回も新鮮に泣いている……。生きていてもいいことなんてひとつもなかった、そのうえ生きる理由もない、あの状況下で「生きよう」と思えたその瞬間まで辿り着くと、ほんとに、何回読んでも泣いてしまう。

 

ずっと本の話ばっかりだからBUMP OF CHICKENの話もしよう!ライブに行ったんですよ、silver jubileeの幕張メッセ2日目に行きました。それとなんとZeppもチケットが取れました!!ライブで演奏を聴くと、いままでよりももっと曲のことが好きになれるのでよいです、今回のツアーではFlareがよりいっそう好きになった曲のひとつです。癒えない傷があっても、壊れた心のまんまでも、それでもだいじょうぶだよって肯定してもらえたらなんかちょっと頑張って生きていけそうな気がしてきます。

Flare

Flare

 

2月は戯言シリーズの新刊が出るそうです。とてもたのしみだ!今年もいっぱいおもしろい本が読みたい。