知らない街の本屋はたのしい

出不精なので外出、特に遠出はほとんどしない。なので、知らない街に行くことはあんまりない。ただ、ときどき出かけたさきで立ち寄る、知らない街の本屋はたのしい、とは思う。

先日はひさしぶりに知らない街に行った。地元のひとたちに紛れて喫茶店でモーニングを食べた。ただ、その場にいたひとたちみんなが、私みたいにさも地元民のような顔でコーヒーを飲んでいただけで全員その街の住民じゃなかった可能性もある。僕は疑い深い人間です。

モーニングを食べ終えて、本屋へ行きました。駅前の商業ビルのワンフロアすべてが本屋さんだった。そのお店の店員さんおすすめ本コーナーがあって、そこに並んでいた本のいくつかがたいへん好きな本だったのでなんとなく嬉しい気持ちになった。もしいまの生活がどうしても無理になって失踪する際には、失踪先をこの街にしたいと思った。それは失踪ではなくただの引っ越し、転居では?

機嫌が良くなったので、少し足を延ばして別の本屋に行った。タリーズが併設されていた。実は私はあんまりこういうカフェが併設されている本屋が得意ではないのだが、そこは居心地がよかった。たぶん空いてたからだと思う。混んでる場所が苦手です。

いくつか本を購入してライブ会場へ向かった、そう、外出の真の目的はライブだった。ライブ会場は混んでいるけれど音楽が爆音で聴けるしたのしいので好きです。でも、得意か苦手かでいうなら苦手かも。あんまりうまくのれないし、拍手のタイミングとかよくわからんし。でもそれでもいつもたのしいです。

BUMP OF CHICKENのライブでした、このブログまじでBUMP OF CHICKENのことと本のことしか書いてないな。

音楽を聴くと忘れていたことを思い出す。はじめてバンプのライブで『虹を待つ人』を聴いたとき、「うまく手は繋げない それでも笑う」のところで降ってきた銀テープを掴み損ねて、そしたら隣にいた知らないお姉さんも同じ状況で、なぜかめちゃめちゃふたりして笑ってしまったことを思い出した。元気かな、あのひと、元気だったらいいなあ、そんなふうに曲が終わったあとにぼんやり考えてたら、藤くんの終わりの言葉が「また会おうぜ、元気じゃなくてもいいから」でびっくりしてしまった。そう、自分は、基本的にはいつも元気じゃない。いちおう社会人なので最低限の元気の皮を被っているが、いつもぜんぜん元気ではない。なんというか、そっか、べつに元気じゃなくても(もちろん風邪とかは駄目だよ)ライブ行っていいし遠出してみたりしてみてもいいんだよな、とものすごく当たり前のことにいまさらながら気づいた。べつに、元気じゃなくてもいいんだな、と思ったら少しだけ元気な気持ちになった。

買ったばかりの本と、家から連れ出した本、両方が入った本を抱えて電車に乗った、遠出も悪くないな、また知らない街に行きたいな。